【終活×不動産】実家は残すべきか？
parasol-house子どもに負担を残さない“住まい戦略”をわかりやすく解説します。
終活を考えるうえで最も悩ましいテーマが「家をどうするか」です。
地方都市では人口減少が続いており、かつて“資産”だった家が、今は維持コストと管理負担だけが残る存在になりやすくなっています。
本記事では、地方都市の一例として長崎の状況も交えながら、
- 終活で家の扱いを最優先にすべき理由
- 子どもが地元を離れている場合の判断軸
- 中古住宅の上手な活用方法
- 老後の生活を軽くする住み替え戦略
を詳しく解説します。
【結論】終活では「家を残す」より「家に縛られない」ことが重要
地方では住宅の流動性が低下し、売却のタイミングを逃すと市場価値が下がり、出口戦略が取りにくくなります。
これは長崎を含め全国の地方都市で共通する状況です。
家は“持ち続けるもの”ではなく、人生のステージに合わせて“必要な期間だけ使うもの”。
子どもが県外に住んでいる場合、実家を残すことでかえって負担になる可能性が高く、合理的な選択とは言えません。
1. 終活で「家の扱い」を最優先で考えるべき理由
家は終活の中で最もトラブルにつながりやすい資産です。
- 固定資産税・修繕費などの維持コスト
- 放置による老朽化・近隣トラブル
- 空き家化による安全性の問題
- 相続後に子どもが処理に困る
- 古くなるほど売れず、出口がなくなる
特に地方都市では、買い手が限られるため、「売れるうちに動く」ことが重要です。
2. 地方都市の住宅は“資産”よりも“負債”になりやすい現実
地方では人口減少により需要が縮小し、住宅の価値が長期的に下がりやすくなっています。
長崎もその一例ですが、同じ課題は全国の地方で見られます。
- 若い世帯の都市部への流出
- 中古住宅の増加による価格競争
- 築古物件の老朽化で価値がさらに下がる
- 買い手が少なく、市場が成立しにくい
さらに、家を最後まで残す場合に発生する
“解体費用”という大きな負担
は見逃せません。
■ 解体費用は100〜500万円と立地によってまちまち
立地や敷地状況によっては、500万円以上になるケースもあります。
たとえば、
- 新築で4,000万円の住宅を購入
- 数十年後に子どもが使わない
- 売れずに空き家化
- 最終的に300〜500万円の解体費用が必要
この未来は決して珍しくありません。
つまり、
家を残すつもりが、家族に大きな“支出”を残す結果になる
という、非常に現実的なリスクを含んでいます。
3. 子どもが県外に住んでいる場合、実家は残すべきか？
答えはシンプルです。
実家を使う予定がないなら、残す必要はほとんどありません。
- 将来戻る可能性が低い
- 子どもに管理・費用の負担がかかる
- 売却する頃には荒れ果てて価値が大きく下がっている
- 解体が必要になれば大きな出費
感情だけで残してしまうと、将来の負担はむしろ増えることが多いのです。
4. 終活の最適解：築古住宅を“必要な期間だけ使う”という住まい戦略
特に地方では、築古住宅を手頃な価格で購入し、
必要な時期だけ使い、出口が作れるうちに手放す
という考え方が最も合理的です。
- ローン負担が軽い
- 家族構成に合わせて住まいを調整できる
- 売却時の価格変動リスクが比較的小さい
“家に固定されない生き方”を選べることが大きな魅力です。
5. 60代以降は「持家を維持する」より「身軽に暮らす」ことが重要
高齢になるほど、家の管理負担は増えていきます。
- 修繕・メンテナンスの頻度と費用
- 外構や庭の管理
- 老朽化による安全性
- 住み替えの難しさ
これらを踏まえると、
持家を守り続けることが必ずしも幸せにつながるわけではありません。
6. 老後の住まいは“公的住宅の活用”も現実的な選択肢
市営・県営住宅は高齢者単身世帯でも利用でき、
- 家賃が比較的安い
- 建物管理の負担がない
- 維持費がかからない
というメリットがあり、終活において非常に有効な選択肢です。
7. 終活とは「財産を減らす活動」ではなく「自由度を高める活動」
終活の目的は、
- 固定費の削減
- 将来の不安を減らす
- 子どもに負担を残さない
- 心の余裕を取り戻す
という、“豊かな後半人生の再設計”にあります。
不動産の最適化は、その中心にあるテーマです。
8. 終活住まい戦略の3ステップ
ステップ1：60代まで → 中古住宅を必要な期間だけ使う
ステップ2：子ども独立後 → 売却で出口を作る
ステップ3：65歳以降 → 身軽な住まいへ移行
どのステップも、「家に縛られない人生」を実現するための大切な選択です。
【まとめ】
家を残すかどうかではなく、“どう生きたいか”で住まいは決める時代へ**
家は感情で残す時代から、
人生の自由度を高めるために選び直す時代へ。
そのために必要なのは、
- 築古住宅を活用する柔軟な考え方
- 解体費用まで含めた出口戦略
- 老後の生活の再設計
という、現実的で合理的な住まい方です。
地域密着で終活や空き家の相談を受けている パラソル では、
こうした住まい戦略のサポートも行っています。
